長期協働プロジェクト
長期協働プロジェクトとは
「学びってなんだろう。」
「教育はなんのためにあるんだろうか。」
「これからの学校のあり方って?」
そんな問いをもちながら、
プログラムの提供にとどまらず、
3−5年間かけて協働することで、
学校づくりをできることから取り組むプロジェクトです。
探究の学びづくりだけでなく、
先生方の”やってみたい”を後押ししたり、
それぞれの葛藤や悩みを共有したり、
コロナ渦のなかで出来ることを押し進めたり。
学校教育を取り巻くひととシステム全体をとらえ、
学生や地域の多様な人々とともに
学校と学びをひらいていきます。
大切にしていること
Point1
ビジョンを描く
どんな学びや学校を目指していきたいか、まずは学校のビジョンを共有し対話を重ねます。日頃から対話の機会を大切にしています。また連携協定はこれらの議論をふまえて策定しています。
Point2
カリキュラムづくり
総合的な探究の時間や課題研究を中心に、子どもたちの個や創造性がひらく教育を目指して、カリキュラム開発とその授業運営をしています。その他、課外活動や進路指導など、授業に留まらない多角的なアプローチも試みています。
Point3
土壌を耕す
新しい取り組みが自然と生まれてくるような学校の土壌づくりにも注力しています。地域の多様なステークホルダーと繋げた学びづくりや、協働後もカリキュラムが変わりつづける学校のチームやカルチャーづくりなど、協働校と共に試行錯誤しながら学校の土壌を耕しています。
Point1 ビジョンを描く
多様な人と共にみらいを描くビジョンミーティング
「こんな学校になったらいいな」
若手の先生から管理職まで多様なメンバーと共に、フラットに学校のこれからを熟議しています。
それぞれの思いや現場の葛藤を共有することで、知らなかった同僚の思いにふれたり、実現が難しいと感じていたことにヒントやアイディアが生まれてきたりします。
これまでには、授業に参加してくれた地元の経営者から学生・教員など総勢60名で、学びと学校のあり方について議論をしたシーンもありました。
Point2 カリキュラムづくり
探究のカリキュラム開発と運営
基本的には、年間を通したカリキュラムデザインとその運営を協働して実施しています。
1ー3年生まで連関させたカリキュラムへのリフォームや、先生方の巻き込みにも取り組んでいます。
授業当日には、当団体のスタッフ・インターンだけでなく地域の学生や社会人など、各校で年間延べ200名ほどに参加いただいており、子どもたち一人ひとりの力を引き出し、ひらかれている学びづくりを行っています。
オリジナルの
「探究の教科書」づくり
生徒たち自らで、自由に学びを駆動していけるにはどうするべきか、議論の末に『探究のしおり』という教科書を刊行し、導入している高校もあります。
アクションの取り方や、悩んだり行き詰まった時のヒントが散りばめられており、また、どのページからも進められるようになっているので、一人ひとりが状況に合わせて、自由に学びを進められるようになっています。
学校のなかの出島
「iLAB」の立ち上げ
市立長野高校では、2019年度から「iLAB」という部屋を新設しました。学年全員が揃って取り組む教育課程をこえて、より自由に学んだり、地域と繋がったり、生徒が様々な挑戦を広げられるようにとつくられました。
常駐職員もおり、授業の相談はもちろん、授業外での探究もサポートできる体制が整えられています。生徒がイベントを企画したり、日常的にふらっと立ち寄り、おしゃべりする場でもあります。
Point3 土壌を耕す
リフレクション・ミーティング
プロジェクト全体を通して、対話とふりかえりの時間を大切にしています。学校現場は目の前の仕事に追われがちですが、だからこそ腰を据えて対話することで、一人ひとりの精神的な余白が生まれたり、取組みの成果を実感したりと、よりよい在り方が見えてくることが多いからです。
また日頃から対話を重ねることで、コロナ禍などの緊急性や不確実性が高いときにこそ、協働した動きが生まれやすいと実感しています。
県内へ学びを広げるコンソーシアムの立上げ
長野県では、実施校のみに取り組みをとどめず、地域や社会に関係性を広げていくために、コンソーシアムの設立をしたり、地域のさまざまな人との関係を深めたり、教育と社会のホールネスな関係づくりを構築しています。
今後も、未来の教育を担う地元の教育学部生への探究の実践の場として間口を広げたり、大学や地域との連携、新たな先生の学びのコミュニティづくりなどを進めていきます。
今までの協働校
青春基地では、今まで公立高校と協働しながら全ての人の個が開かれる学びづくりをしてきました。
また、わたし達の実践がより多くの学校の実践につながるよう、特に公立高校にこだわりながら実践を続けています。
授業づくりをする中で、青春基地の学生インターン・スタッフをはじめ、
地域の大学生・社会人など、年間延べ200名程の人々がそれぞれの学校に関わっています。
東京都立第一商業高等学校(ビジネス科)
期間:2018年8月ー2021年現在
科目:1年生ビジネス基礎/2年生ビジネスアイデア/3年生課題研究
長野市立長野高等学校・中学校(総合学科)
期間:2019年4月ー2021年現在
科目:高校1年生:産業と社会(翼プロジェクト) /こうこ2年生:課題探究(翼プロジェクト)
先生たちの声
藍澤卓也先生
東京都立第一商業高等学校
授業づくりでは、僕たちの人脈では呼べない方々と出会えることが本当に貴重で、私自身の楽しみでもあります。多様なバックグラウンドを持つ生徒たちが過ごしている本校ですが、多くの人が来てくれることで、生徒は生き生きとしていて、普段の授業では見られない表情や行動が生まれています。
またここまで4年間協働してきたことで、徐々に教員たちや学校全体の空気が変わってきているなと実感しており、ここまでやってこれて良かったなと感じています。
菅沼尚校長
長野市立長野高等学校
協働を始めた当時は探究であるのに”やらされ感”があることが課題でしたが、年々、これは面白いなと思う探究が増えてきています。それは社会や地域課題ではなく、まずは生徒たちの興味関心を起点にテーマを立て、自分たちで動いていく形に、探究を転換できたことが一番の手応えだと感じています。
これからはさらに、本校だけでなく、長野県全体に取組みが広がり、学校を開いていくにはどうするべきか考えていきたいと思います。
協働の流れ
共有
企画内容を定めるまえに、まずは、お問合せいただいた背景や課題意識、学校の様子、皆さまの思いについてインタビューをさせていただいています。
また私たちも、これまでの取組みやそのコンセプトについて共有しています。
企画・対話
私たちからのご提案だけでなく、どんなことを大切にしたいか、どんな取組みを進めていきたいか、対話を深めながら、共に企画や協働内容を思案し、準備を進めていきます。
実施
プロジェクトがいざスタート。実施期間では、どんな実施体制で進めれば、学校全体を巻き込んだり、共感を広げられるか、先生の負担が少ないかなど、状況とビジョンをふまえて共に試行錯誤しています。
各学校で描いている思いやご要望に合わせて、長期協働プロジェクトだけでなく、
単発ワークショップや先生の学びの場など様々な取組みを実施しております。
まずは下記のフォームよりお問い合わせいただければ幸いです。
よくあるご質問
もちろんですし、まずは小さくボトムアップで進める学校改革の方法には可能性を感じています。各学校での取組みのフェーズや状況・ニーズに合わせて臨機応変に対応しておりますので、お気軽にご相談ください。また学びづくりだけでなく、先生同士の対話を深める先生向けのワークショップも実施しています。
ぜひお問い合わせください。なにかヒントが生まれれば幸いですし、私たちにとっても、それぞれの学校の様子を深く知れることは、より学校に寄り添ったプログラムづくりや研究に繋がります。
公教育で新しい取組みを進めにくいボトルネックの一つが、この財源確保であると考えています。そのため県や国の財源の活用やOBOGネットワークを活用した寄付金など、できる予算確保を努めていただきつつ、共同で新たな予算の確保をするなど、どうしたら実施できるか共に考え、進めています。
実際にお伺いする頻度や、具体的な関わり方についてアレンジさせていただいたり、オンラインの活用や、先生や生徒主体で授業運営を進めるなど、それぞれの関係に応じた進め方が可能です。
まずはお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
それぞれの目指している学びや願いを踏まえて、協働の在り方を考えていきたいと思っております。
まずはお問い合わせしていただければ幸いです。
その他のプロジェクト
探究プログラム
探究や課題研究、修学旅行のなかで生徒の個をひきだす起爆剤として、スポットでの授業を届けています。ここでも多様な学生や社会人を巻き込んで授業をつくっています。
ジェネレーティブ・ワークショップ
ジェネレーティブとは、“生み出す”を意味する言葉。身体性と非言語をつかった新しい探究のアプローチです。言語だけでなく五感もつかうことで、生徒の個や原点がより現れてきます。
先生の学び
先生たちの学びの場づくりにも取り組んでいます。時代や子どもたちの変化、そして日々の制約のなかでの葛藤や悩みを共有しつつ、対話を通してこれからの学びと学校の在り方を考えます。